人口がまだいるうちに

どうも、人口が政府の予想よりずいぶん速く減少しそうであるという記事がちらほら上がっては消えていくようになりました。

中国東北部の、朝鮮半島と接した地域には朝鮮族の大きな村がありました。兄弟姉妹一緒に他国の大学に留学させるほど、彼らは裕福でした。でも、その後出稼ぎ労働者となった子どもたちから海外送金されてくるお金によってインフレが発生し、村は…今はもう元のようではありません。そろそろ彼らは年老いた両親たちを故郷から出稼ぎ先に呼び寄せなくてはならない頃です。空っぽになってしまうのだろうなと思います。

日本人も出稼ぎするようになるのだとよく言われますが、それはなかなか困難です。何しろ他国からは「先進国」とみなされているため、そうそう簡単には労働ビザを手にできる国民がいないからです。有名大学の名前がついていなければビザが下りないのです。

大多数がよそに出ていけない状況でも、人が減ってしまうというのはかなり焦りますね。生きている人がある程度いるうちにやらなくてはならないことが、たくさんあるからです。

日本の人口減少、少子化、これは結果です。次は労働者がいなくなると叫ばれていますが逆で、先にお客さんがいなくなるんです。何でも売上を過去と比べてはマイナスになっているという評価しか出ません、人口を考慮しないでいると。

商売人から見た話をします。高いものは売れないけれど、人口が少ないので安いものでは利益が出ません。何の商売にも元手が必要で、破産の危険もありますが一体誰がこの環境で開業できるでしょうか。次は公共の話に移ります。政府や自治体が補助するか、大手企業がすべて抱え込んで何でもやるしかありません。最悪、「この街には工務店がないので何か建てるには出張費を出さないと」とか「この県には○○がないので○○の維持を諦めました」というのがありえるかもしれません。既に「ない」ではなく「足りない」という状況は見かけるようになりました。台風の後の建物がブルーシートまみれなのがそのままだったりしませんか?

お年寄りではない、若くて強いお客が取れればいいと思うかもしれません。その人はどれだけの事業者を支えられるでしょうか?1人はどうやってもたかが1人です。100人分の財産を持って、100人分のお客の役割を保つことはできません。例えば、たくさんの理容師や美容師を強いお客が支えようにも、その人には頭が1つしかないんです。当たり前ですね。

深刻なのは、都市部です。あるじのいなくなった住宅を誰がどう片付けるのかです。土地は相続放棄されれば自治体が引き取るしかありません。建築関係の人しかピンとこない、最もインパクトの大きいものとしては、その廃材を処理する費用です。しかも、建築廃材は普通のゴミとして扱うことはできません。古い住宅にはヘタな扱いでは周囲を汚染するものがあります。例えばアスベスト。例えば更地がいっぱいありそんな危険なゴミのなかった戦後とは根本的に違います。金属も分類して再利用しなくては、尽きてしまうばかりです。

人がいっぱいいるうちにやってしまわなくてはならないことが、たくさんありますね!早めの相続放棄意思表明ができる法律の作成とか、ね。